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あぶり出し曲詰「斜め一線(9駒)」 [詰将棋]

わずか9駒で盤の両端を繋ぐ線は、中型から大型のスケールがあるが、一方では短編から中編の手順でも作図が可能で、魅力のある図形だ。
前例は直線が多いと思うが、折れ線や凸凹線にも関心はある。
ただし不規則線は、図形としては、印象は微妙になるとは思う。

将棋秘曲集のあぶり出し曲詰「縄」が「斜め一線(9駒)」でこのタイプのデザインの、最初の作品と思う。
斜め一線はその後、象形曲詰とあぶり出し曲詰ともに複数作図されている。
「斜め一線」の詰上り形は、秘曲集のように11玉(91玉)・22金で詰む形と、77玉を99銀と88竜と66金と55銀で詰ます形がある(またはその応用)。
いずれにしても詰上り形に、半数の駒が関わる形で、類似性が生じる事は避けがたい。

添田宗太夫作「将棋秘曲集・第75番」あぶり出し曲詰「縄(斜め一線)」
作意
28香・同銀成・36金(A)・34玉・35金(B)・43玉・55桂・同飛・44金・同玉・53桂成・同玉・62銀不成・同飛・同銀不成・同玉・72飛・同金・同角成・同玉・73金・81玉・91角成・同玉・82金打 まで25手詰
(A)16金・24玉・15金・34玉・33桂成以下余詰。
(B)33桂成・同飛・同成銀・同玉・43飛以下余詰。
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詰上り図
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山本正作「第19回関西詰将棋ファングループ会合、昭和49年4月14日・解答競争問題(資料作成・田宮克哉)」:第M番「あぶり出し曲詰・M」
推定作意
68飛・66桂合・同飛(A)・同飛・76金(B)・同飛・74馬・54玉・64銀成・同香・43銀不成・同玉・55桂・54玉・53角成・55玉(あ)・44馬 まで19手
(A)76馬まで余詰。
(B)74馬以下余詰。
(あ)同玉で変化同手数の形崩れになる。
(A)(B)(あ)含めて推定作意の間違いかもしれない。
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詰上り図(76竜は飛が正しい)
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修正案
(あ)は修正は難しい。
(B)は56竜に修正が必要だ。これを含めて桂合で桂入手は困難だ。
桂を単純に入手するのが修正案だ。
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作意 65金・同玉・76金・同竜・74馬以下15手詰。

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第1147番は、「詰図の舞」で、「図形(9駒の線):斜め一線」だ、収束に駒余り変化長手数か変化同手数のどちらかがある。
第1151番は、「詰図の舞」で、「図形(9駒の線)」だ。
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第1151番「詰図の舞」「図形(9駒の線)」19手
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作意は、 2023/01/22 へ
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2022/12/05 の作意

第1147番:「詰図の舞」「図形(9駒の線):斜め一線」
84銀・94玉・95銀・同玉・85と・96玉・99香・85玉・88飛・同桂成・94角・84玉・83角成・同玉・73歩成・同玉・65桂・63玉・53桂成・同玉・43桂成・同玉・55桂・同香・54金・33玉・44金・42玉・32銀成・同玉・33金打・21玉(あ)・11飛成・同玉・22金打 まで35手詰
(あ)41玉は11飛成以下、変化同手数駒余らずか、2手長駒余り。
詰上り図
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柿木将棋「Kifu for JavaScript Free 」ver1.03 [詰将棋]

インターネット上で2020年末に「Flash」がサポートされなくなり、「JavaScript」で動作するソフトが主流となった。
インターネット上でJavaScriptを使用して将棋盤を動かすソフトは複数あるようだが、柿木将棋「Kifu for Flash」の後継?的なのが「Kifu for JavaScript Free 」で、「詰将棋 駒の舞(新館)」で使用している。
主に日本将棋連盟のウエブサイトのパソコン版の動く将棋盤で、多く使用されている。
詰将棋では「橋本孝治 普通詰将棋作品集」でも使用されており、「詰将棋一番星」でも使用され始めた。

「詰将棋 駒の舞(新館)」では、2021/01/05の「 Kifu for JavaScript Free 0.93β 」を使用していたが、今回は2022/11/24にリリースされた「 Kifu for JavaScript Free を 1.03 」に更新した(β版が正式版になった)。
確認した変更内容としては『連続で進めたり、戻したりした後、逆方向のボタンを押せなくなった場合があったバグを修正』がある。
iPad版ブラウザで「手順窓の表示が連続にならない」事は、β版と同じだ、日本将棋連盟のスマホ・タブレットサイト用では別の表示ソフトを使用している。

柿木将棋版「Kifu for JavaScript Free 」の大きな特徴は『連続で進める、戻す』機能だと思う。
他のソフトではこの機能はなさそうだ。
実戦棋譜や長編詰将棋やあぶり出し詰将棋が、自動で連続で手順が進んでゆく機能は便利で、かつ見ていても楽しい。

なお、柿木将棋版「Kifu for JavaScript Free 」の使用上の注意や著作権等は柿木将棋サイトに書かれている。
その1つが「PC上では、動作しません」であり、ソフトはインターネット上にアップして動作する。デバッグもインターネット上にアップしてそこで行う必要がある(JavaScriptの性質)。


河内勲作「ひより草・第8番」象形曲詰「今」
作意
55金・同銀・同歩・63玉・75桂・同金・64歩・同玉・53銀打・同金・同銀不成・同玉・54歩・同馬・同香・44玉・45歩・54玉・46桂・43玉・44歩・42玉・43歩成・同玉・54角・53玉・45桂・44玉・33銀不成・同角・36桂・55玉・56歩・同玉・67金・55玉・56歩・64玉・75銀・同玉・85金・64玉・74と まで43手詰
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山本正作「第19回関西詰将棋ファングループ会合、昭和49年4月14日・解答競争問題(資料作成・田宮克哉)」:第L番「あぶり出し曲詰・L」
推定作意
55角(A)・56玉・48桂・同金・66飛・45玉・47飛・同金・46馬・同金・同飛・55玉・56金 まで13手
(A)38飛・45玉・48飛・46歩合・同馬・同圭・35金・56玉・54飛以下余詰。
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詰上り図
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修正案
(A)55角の変化45玉に54金を取る変化がある。
従って、頭2手省いて、54金>54とに変える。
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第1146番は、「詰図の舞」で、「漢字:今(いま・こん)」だ。
第1150番は、「詰図の舞」で、「漢字」で、6画で詰上り駒数が多い文字だ。
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第1150番「詰図の舞」「漢字」31手
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作意は、 2023/01/16 へ
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2022/11/29 の作意

第1146番:「詰図の舞」「漢字:今(いま・こん)」
47金打・55玉・66銀・同歩・56金打・54玉・63銀不成・同玉・73桂成・同と・62金・54玉・53と・同玉・52と引・54玉・46桂・同香・43銀不成 まで19手詰
詰上り図
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「詰パラ2022/11号:800号記念」は曲詰が花盛り [詰将棋]

「詰パラ2022/11号」は800号記念で、色々な曲詰が掲載されている。
個人的には盤の中央の曲詰に目が行く。
利波作19手(p94)は立体曲詰には無理だったのかと考えてしまう。
海老原作15手(p87)「8」は典型的な曲詰と思うのだが、懸賞の「ツメパラ800」は全て中編が揃っている(多くは解けていない)。
藤井竜王の2作は私には難解で(特に1番は予想外の作意に驚いた)、他の作品を解く時間が無くなった。
添川作(p65)については、既にこのブログで書いた様に、柿木将棋の助けで最初に鑑賞したがお勧めだ。

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第1145番は「ブログ2018/09/27:第870番:あぶり出し「9」」を立体曲詰に逆算をし直した。
立体曲詰では不動駒が多くなる傾向は避けられない、それ故に詰上りの駒数がすくないデザインを目指す。
不動駒の比率は高くとも、数は少なくなるからだ。
数字は作り易い字だろう。

それとは逆に不動駒数・比率は割り切って、特異な大きめの曲詰を目指した作品もある。そこでの不要駒とか配置駒の効率とかは、微妙で厄介な課題だ。

OT松田作「詰棋めいと・第12号アンデパンダン G」
作意
74飛(A)・同銀・55歩・64玉・73銀・55玉・67桂・44玉・43金・54玉・55香 まで11手詰
(A)55歩以下、64玉・74金・同玉・73桂成以下余詰。当時の解説で「攻方:77銀、57桂、47金」の修正図の提示あり、それで完全のようだ。
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詰上り図
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修正案
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山本正作「第19回関西詰将棋ファングループ会合、昭和49年4月14日・解答競争問題(資料作成・田宮克哉)」:第K番「あぶり出し曲詰・K」
推定作意
46角・45玉・13角成(A)・55玉・46馬・44玉・35馬・55玉・66竜・同銀・65金打・同角・44竜(B)・同銀・46馬 まで15手
(A)25竜以下余詰。
(B)46馬・44玉・56馬(C)・35玉・36銀以下余詰。
(C)(B)の56馬で、54金・同玉・76角・65桂合・同角・同玉・56馬以下余詰。
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詰上り図
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修正案
(A)は修正困難で4手省くしかなさそうだ。
(B)の余詰は36銀を防ぐ為に63桂>63角にする。
(C)の余詰は54角>54と、にする。
この変更で作意66竜で66銀・64玉・75銀の余詰が生じるので、75銀>74桂にする。
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変更作意
46馬・44玉・35馬・55玉・66竜・同桂・65金打・同と・44竜・同銀・46馬 まで11手

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第1145番は、「寄木の舞」で、「図形・対称」>「9」だ。
第1149番は、「寄木の舞」で、「図形・対称」>「対称」だ。
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第1149番「寄木の舞」「図形・対称」15手
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作意は、 2023/01/10 へ
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2022/11/23 の作意

第1145番:「寄木の舞」「図形・対称」>「9」
53角成・同歩・63銀・55玉・64銀・同玉・74金・55玉・67桂・同と・44銀引不成・同と・46銀 まで13手詰
詰上り図
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「小文字アルファベット」の活字体と筆記体 [詰将棋]

「アルファベット」の曲詰は多数作られている。
だが、「仮名:イロハ」や数字に比べると、作品数が少ない文字もあると感じる。
「アルファベット」の多くは「大文字」であり、「小文字アルファベット」の作図例は少ない。
理由としては、「小文字」だが曲詰では、デザインが小さくなる訳でなく、曲線が増えるデザインが多いからだと思う。
「アルファベット」には活字体と筆記体があり、その中にも異なるデザインもある。
活字体「abcdefghijklmnopqrstuvwxyz」
筆記体「例えば、 筆記体ギャラリー のサイト 」

曲詰「大文字アルファベット」は活字体を使っている。
曲詰「小文字アルファベット」では「大文字」と同じデザインを避けたいので、「活字体」と「筆記体」を混在して使用したい。
だが、区別しにくい文字もありそれは悩ましい。

河内勲作「おくろう記・第57番」:象形曲詰「a」
作意
42角成・同成銀・31金・52玉・62歩成・同玉・63と・同玉・75桂・52玉・63銀・61玉・62歩・51玉・52歩・同成銀・同銀成・同玉・63銀・51玉・61歩成・同玉・53桂・71玉・74飛・81玉・72飛成・91玉・83桂不成 まで29手詰
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山本正作「第19回関西詰将棋ファングループ会合、昭和49年4月14日・解答競争問題(資料作成・田宮克哉)」:第J番「あぶり出し曲詰・J」
推定作意
58馬・56玉・55と(A)・同銀・同金・66玉・67銀(B)・55玉・36馬・65玉・54竜・同金・47馬・55玉・56馬 まで15手
(A)55金以下同銀・57馬以下余詰。
(B)65金以下、同玉・47馬・56歩合・同竜以下余詰。
(B)57馬以下、77玉・68竜・87玉・96銀以下余詰。
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詰上り図
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修正案
(B)の修正は困難だ。
収束だけでも不要駒は無いので「53角>銀、76歩>攻め方」に変更して7手詰案はある。
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第1144番は、「詰図の舞」で、「小文字アルファベット・a(活字体)」だ。
第1148番は、「詰図の舞」で、「小文字アルファベット・(活字体)」だ。
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第1148番「詰図の舞」「小文字アルファベット」13手
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作意は、 2023/01/04 へ
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2022/11/17 の作意

第1144番:「詰図の舞」「小文字アルファベット・a」
47銀・同玉・59桂・56玉・66飛・同竜・47金・55玉・44馬・同金・64銀・54玉・53と引・同金・同銀成・55玉・67桂・同竜・46金打 まで19手詰
詰上り図
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あぶり出し曲詰「図形(9駒の線)」シリーズについて [詰将棋]

2022/12/01に「詰将棋駒の舞(新館)」の定期更新を行った。
「2022/11月-1」の作意発表は、「続小駒の舞」「金銀図式」で、9手目22金で21金以下の迂回手順が有る。
「2022/11月-2」の作意発表は、あぶり出し曲詰「漢字・灯(ともしび・あかり)」だ。
「続小駒の舞」「詰図の舞」「寄木の舞」の追加登録も行った。

「2022/12月-1」は、「寄木の舞」で、「斜め対称」>「仮名」だ。
「2022/12月-2」は、あぶり出し曲詰で、「漢字」だ。

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第1143番について、詰上り図で盤の端に接している駒12枚の内で、97桂以外は不動だ。
一方では、端に接していない10枚のほとんどは動く。
それが構図は大型曲詰だが、手順的には中型曲詰の「飛び石詰」が成立する理由と言える。
ヤヒロ・タイプは、平行格子タイプと比較して4隅(11,19,91,99)に配置駒が無い所が明確に作り易いと考えた。

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詰パラ2022/11月号(800号記念)は作品数が多いが、その中で読者サロンの「添川公司氏の修正・改良作の9作」がうれしい、近代将棋誌発表作は初見だし、あぶり出し曲詰が5作ある。
現在では完全作については、解が付いていなくとも柿木将棋で作意が判る。
そして「北回帰線、赤道、南回帰線」3作は、私が今回始める「図形(9駒の線)」シリーズと重なるコンセプトの作品シリーズだ。
そして、門脇芳雄作「宇宙3作」も重なる。
2つの端を9駒で線として繋ぐ、「斜め線」「縦一線」「横一線」の他にも、凸凹線やジグザグ線などのバリエーションが考えられる。
9駒の詰み上がりは概ね中編になるだろう。

添川公司作「詰パラ2022/11・読者サロン(詰パラ1981.08)」あぶり出し曲詰「横一線」
作意
96馬・同金・86金打・84玉・74と上・同桂・85香・同銀・83と・同玉・84銀・同玉・51角成・93玉・96香・同銀・84金・92玉・91と・同玉・81歩成・同玉・72と・92玉・82と・同玉・73馬・同飛・同金・同玉・13飛成・64玉・65飛・同玉・66金・同桂左・56銀・54玉・66桂・同桂・46桂・同歩・44と・同玉・36桂・34玉・35香・同玉・24竜・36玉・26竜 まで51手詰
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詰上り図
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山本正作「第19回関西詰将棋ファングループ会合、昭和49年4月14日・解答競争問題(資料作成・田宮克哉)」:第I番「あぶり出し曲詰・I」
推定作意
35銀・同玉・24銀不成(A)・25玉・37桂(B)・24玉・26竜・33玉・45桂・44玉・53竜(C)・45玉・55馬(D)・同玉・56竜 まで15手
(A)65竜以下、44合・24銀不成以下余詰。
(B)17桂以下、14玉・16竜・24玉・22竜以下余詰。
(C)42竜以下、43金合・同竜以下余詰。
24竜以下、34銀合・42竜以下余詰。
(D)18馬以下、34玉・54竜以下余詰。
43竜以下、44金合・18馬・55玉・54馬以下余詰。
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詰上り図
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修正案
通常は53銀型の詰上り図が多い形だ、53竜が強く修正は困難と思う。

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第1143番は、「詰図の舞」で「図形・飛び石詰・9X9(22枚)」だ、「飛び石詰」シリーズは終了する。
第1147番は、「詰図の舞」で、「図形(9駒の線)」だ、収束に駒余り変化長手数か変化同手数か、がある。
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第1147番「詰図の舞」「図形(9駒の線)」35手
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作意は、 2022/12/29 へ
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2022/11/11 の作意

第1143番:「詰図の舞」「図形・飛び石詰・9X9(22枚)」
44と上・23玉・24と・同玉・25歩・同銀・34と・同玉・37香・43玉・33金・54玉・45と・63玉・73と・同金・64銀・同玉・75と・同玉・65金(A)・86玉・87銀(B)・同玉・88金・86玉・77銀・同桂成・同金・85玉・97桂 まで31手詰
(A)73竜は、74歩合・以下逃れで49角が働く。
(B)77銀は、同桂成・97銀・85玉・96銀・76玉・73竜・86玉・77竜・96玉・88桂・同飛成以下逃れで81飛が働く。
詰上り図
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