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「大菱」と3大大型曲詰 [詰将棋]

あぶり出し曲詰「大菱(9X9菱形)」は、鮮やかな大型曲詰の一つだ。
複数の本等で「3大大型曲詰は、市松・引き違い・大菱」と読んだ事がある。
ただしこの中では、市松は具体的などのデザインかは書かれていなかったので、同じくくりかは不明だ。
現在では他のデザインを加えたりする事もあり、3大大型曲詰と言うまとめ方があるのかは微妙だ。
はっきり言えるのは、江戸時代に作られた大型曲詰は市松・引き違い・大菱だけだと言うことであり、それが3大大型曲詰と呼ばれた理由だろう。

「大菱(9X9菱形)」は駒配置と玉の移動奇跡が、ほぼ盤周辺であり、他の2つとは印象が異なる。
詰め上がり玉位置は15玉(95玉)と、51玉が見た事がある。

久留島喜内作「将棋妙案:第94番」「大菱」
46金・同玉・37銀右・56玉・68桂・65玉・77桂・同と寄・66香・74玉・83銀不成・同玉・86竜・同と・84金・72玉・71角成・同玉・61歩成・同玉・63香不成・52玉・62香成・42玉・32と・同玉・33銀・41玉・42歩・31玉・21と・同玉・12香成・同玉・13桂成・同玉・14歩・同金・同香・同玉・24金・15玉・26馬 まで43手詰
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詰上り図
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桑原君仲作「将棋玉図:第91番」「大菱」
13香・21玉・12香成・同玉・13桂成・同玉・24銀行・14玉・15歩・25玉・37桂・36玉・48桂・46玉・57銀・同玉・66竜・同玉・56馬・75玉・86金・84玉・93角・73玉・83馬・同玉・84銀・72玉・62歩成・同金・同香成・同玉・73金(A)・61玉・71角成(B)・同玉・63桂不成・61玉(あ)・51香成・同金・同桂成・同玉・62金打 まで43手詰
(A)53香成・同玉・71角成以下難解な余詰、柿木将棋指摘。
(B)51香成・同金・71角成も成立する。
(あ)81玉は92香成・同玉・83銀成以下変化同手数。
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第31番」・「サ」
55金・同金・64飛・同桂・46桂・同金・63角成・同香・55香・同玉・33角・54玉・44角成 まで13手詰
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詰上り図
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第968番は、手筋作の19手詰だ。53玉形で3段以内に納めたかった。51-31に銀を並べる狙いもある。
第972番は、「無掛の舞」で、小駒図式の無仕掛作だ。
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第972番「無掛の舞」15手詰
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作意は、 2020/02/19 へ
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2020/01/02 の作意(スクロール)

第968番:19手詰
55金・53玉・62銀不成・42玉・51銀左不成・32玉・41銀不成・22玉・31銀・同玉・32金・同金・42金・同金・同銀成・同玉・51角成・同玉・52金 まで19手
収束5手変化同手数。

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あぶり出し曲詰「濁音仮名・ゼ」 [詰将棋]

濁音仮名文字と半濁音仮名文字は、作図例は少ない。
それ故に、全作品(文字)を揃えた「イロハ字図」が目立つ。

丸山正為作「イロハ字図」の特徴を整理すると、
・初形象形仮名文字で、イロハ48字+「京」+濁音仮名と半濁音仮名
・あぶり出し仮名文字で、イロハ48字+「京」+濁音仮名と半濁音仮名
・濁音と半濁音仮名文字では、記号以外の文字の部分のデザインが元の仮名と同じ

濁音記号以外の部分は3種類のデザインが同じという事だ。
加えて、初出時(昭和2年)の「イロハ48字+「京」」では、あぶり出しでは初形は持駒=なしに統一されている。
ただし、その後に将棋世界誌(昭和29-38年)掲載時に、追加された濁音仮名文字・半濁音仮名文字と、不完全修正と改修作品では、持駒ありも含まれている。

初形象形作品では駒数が少ないと難しくなると予想される、「イロハ字図」では自動的にそれがあぶり出しの詰上りになり、そして次ぎに濁音仮名と半濁音仮名ではそのデザインに記号が加わり駒数が増える結果となった。
3種類のデザインの統一は、駒数のバランスが難しく、予想以上に難度が高いと思う。

丸山正為作「将棋イロハ字図(コピー版):第147番」「ゼ」
51角成・同玉・95馬・同飛・41香成・同玉・32金・51玉・43桂・52玉・44桂・43玉・34銀成・54玉・55香・同金・同歩・同飛・65金打・同飛・同金・同玉・75飛・54玉・55飛・同玉・47桂・同と・56歩・65玉・75飛・54玉・55飛(A) まで33手詰
(A)55歩でも詰みで形崩れになる。
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第30番」・「ケ」
46銀打・同銀・34銀・55玉・46竜・同竜・45金・同香・44銀・同金・82角成・54玉・64馬 まで13手詰
68とは解説では「無くともよさそう」とあるが、余詰防ぎで必要の様だ。
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詰上り図
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第967番は、「詰図の舞」で、あぶり出し「濁音仮名文字・ゼ」。
第971番は、「詰図の舞」で、あぶり出し「濁音仮名文字」。
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第971番「詰図の舞」で、「濁音仮名文字」19手詰
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作意は、 2020/02/13 へ
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2019/12/27 の作意(スクロール)

第967番:「詰図の舞」:「ゼ」
43銀不成・55玉・45金・同玉・36銀・55玉・54銀成・同玉・43角成・55玉・65金・同桂・67桂・同と・56歩・同玉・34馬・55玉・45馬 まで19手
詰上り図
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あぶり出し曲詰「小菱(菱形)」 [詰将棋]

盤面中央の菱形は9X9の「大菱」が有名で目立っている、そして7X7の「中菱」も作られており前回取りあげた。
5X5の「小菱」も当然に綺麗な図形だが、作品は5X5市松のダイヤと比べて少ない様だ。
菱形の中央に駒がある5X5ダイヤ形よりは、小菱形はやや地味でありその割りには作りにくい、中央に駒が無い詰上がり故に、詰上がりのデザインの種類も多くは無さそうだ。

岡田敏作「詰の花束:第464番」「小菱」
57金・45玉・46金打・同と右・54角・同玉・44銀成・64玉・53竜 まで9 手詰
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詰上り図
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添田宗太夫作「将棋秘曲集(コピー版:第50番」「菱餅」
47角・同銀成・同金右・65玉・56銀・同成香・同金・同玉・57金・65玉・66香・55玉・46銀(A)・44玉・35馬 まで15手
小菱よりも2駒多い派生デザイン。
(A)33馬・45玉・46金で余詰。25桂は変化でも必要な駒。
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第29番」・「ク」
47銀・同角成・56金・同馬・35角・同玉・36竜・44玉・56桂・54玉・45竜・同香・32角・53玉・43角成 まで15手詰
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詰上り図
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第966番は、「詰図の舞」で、あぶり出し「図形・菱形(5X5)」だ、中央から1段ずれている。
第970番は、「詰図の舞」で、あぶり出し「図形」だ。収束3手で、変化同手数での形崩れがある。
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第970番:「詰図の舞」・「図形」19手詰
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作意は、 2020/02/07 へ
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2019/12/21 の作意(スクロール)

第966番:「詰図の舞」:「図形・菱形(5X5):小菱」
63角成・55玉・66銀・46玉・44金・同玉・55銀打・同成桂・同銀・同玉・46銀・同馬・67桂・同銀成・47桂・同馬・45金・65玉・54馬 まで19手
中央から1段ずれている(中央にすると、9手目73飛成の余詰がある)
詰上り図
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あぶり出し曲詰「漢字・万」 [詰将棋]

数の位を表す漢数字「百」「千」「万」「億」「兆」「京」には、作れそうもない文字「億」もある、「兆」も大型になる。
「百」は岡田敏氏にあり、「京」は丸山正為氏にあるが、かなり大型図形に近い。
漢数字は「零」が作れないと、駒で表せない数字が多い。
5X5のサイズを目安にすると、横棒3本と縦棒3本以下の必要がある。
斜め線は見た目よりも駒では、拡がる傾向になる。

添田宗太夫作「将棋秘曲集」にも「万」があるのだが、異書体なのか読めないデザインだ。
「万」は「萬(まん)」の簡略体だが、今はこちらが主流だろうし、駒で作れるのはこちらだけだ。

岡田敏作「詰の花束:第475番」「万」
62歩成・同金・81と・同玉・63角成・同金・72歩成・同玉・63竜・同玉・73金・54玉・44と・同と・43銀不成・同と・66桂・同銀・56竜・同銀不成・63銀・55玉・47桂・同銀成・45馬 まで25手
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第28番」・「オ」
53飛成・同桂・45金・同桂・64角成・同桂・56香・同桂・64銀・54玉・46桂 まで11手詰
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詰上り図
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第965番は、「詰図の舞」で、あぶり出し曲詰「漢字・万」だ
第969番は、「詰図の舞」で、あぶり出し曲詰「漢数字」だ。あまり使われてはいなく馴染みも薄く、異書体もある。
ウエブサイト「詰将棋パラダイス」須藤大輔作の2020年賀詰と同じデザインだ。
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第969番「詰図の舞」で、あぶり出し曲詰「漢字」29手詰
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作意は、 2020/02/01 へ
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2019/12/15 の作意(スクロール)

第965番:「詰図の舞」:「漢字・万」
43歩成・同桂・63飛成・44玉・54馬・同香・53銀・同銀・43桂成・同金・36桂・55玉・35飛・同香・67桂・同と・56歩・同と・45馬 まで19手
詰上り図
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謹賀新年 [詰将棋]

本館の2020/01の定期更新です。

2020/01月の1番は「アラビア数字2文字」のあぶり出し曲詰です。
2番は「漢字」のあぶり出し曲詰です。
漢字を作り始めたが、まだ形を作る段階を越えていない。
2020年は漢字のあぶり出し曲詰作図を中心にする予定だ。

2019/12の問題は、短い小駒図式2題です、小駒図式は飛躍した手順がないので感覚的な好みとなるが、私は非常に好んでいる。

ブログ(2019/12/21)での正方形・長方形の派生形で取りあげかけた「日の丸」の続きです。
正方形(5X5)から派生する「日の丸」は、特異点的に作図例が古くから多くある。
ただし偶然だが、紹介予定作が詰将棋的に完全性に疑問がある作品だったのでその時は省いた。

久留島喜内作「将棋妙案:第89番」「日の丸」
43飛成・同銀・同銀不成・45玉(あ)・36金・55玉・64銀・同玉(い)・53銀・75玉・77桂・55玉・73角成 まで13手
(あ)55玉は64銀以下変化同手数の形崩れ
(い)65玉は77桂以下の手順前後
変化同手数が複数存在する作品だ。
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詰上り図
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内藤武雄作「村山隆治著・詰将棋教室(P.233):将棋月報(昭和17)」
15馬・52玉・43銀(A)・61玉・62桂成・同玉(あ)・53飛成・同玉・42馬・44玉(い)・53銀・45玉・37桂・同と・57桂・55玉・33馬 まで17手
(あ)同銀は52飛成・72玉・73香成・同玉・37馬・同と・85桂・83玉・93桂成・同玉・84金打・82玉・62竜以下(27手詰)の変化長手数
(い)62玉は73香成・同玉・74金・同玉・76飛以下(21手)変化長手数
(A)62桂成以下41玉・42銀・32玉・23桂成以下余詰
変化長手数作だ。余詰は柿木将棋ならではの手順で難しい。
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詰上り図
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門脇芳雄作「曲詰百歌仙:第80番」「新生日本(日の丸)」
75と・同歩(い)・74飛・同玉・63桂成・同歩・74金・65玉・55と・66玉・77金・同馬・65と・同玉・77桂・66玉・55角・同玉・57竜(A)・同と・45と・同玉・37桂・同銀不成・36金行・同香・35金・55玉・33角成 まで29手詰
(A)54と以下、同歩・33角成・44歩合(あ)・54銀成・同玉・55歩・同玉・46銀以下余詰
(あ)44銀合は46銀・66玉・44馬・55香合・同銀・同歩・同馬・同玉・57竜以下
(い)同玉は作者解説手順の74と・66玉・77金打・65玉・64と・75玉・74飛・85玉・76金以下だが、変化別詰手順があり難しい。
余詰の銀合は玉を外に追うので柿木将棋手順だ。
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第27番」・「二(に)」
52銀成・同玉・62歩成・同玉・63角成・同金・72飛成・53玉・42角・54玉・63竜・55玉・46金打・同銀・54竜・同玉・64角成 まで17手詰
86とは余詰防ぎ・解説による。
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詰上り図
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第964番は、「と歩の舞」で、盤面は小駒で飛合あり。
第968番は、19手詰だ。初形は本当は3段内で形をおさめたかった。
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第968番19手詰
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作意は、 2020/01/26 へ
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2019/12/09 の作意(スクロール)

第964番:「と歩の舞」
41と・同玉・43香・42飛合・51と・同玉・62と左・同飛・52歩・同飛・61と・同玉・53桂・同飛・72と寄・51玉・62と まで17手


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