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「将棋極妙」と「大小詰物」 [詰将棋]

「古図式の諸手筋一覧表」によると、桑原君仲作「将棋極妙」百番集でのあぶり出し曲詰は下記だ。
八卦模様の曲詰:1-8番
漢字詰「大」:9から48番にかけて12題
漢字詰「小」:10から49番にかけて12題
市松:99番
引違い:100番


「将棋極妙:第48番」:漢字詰「大」
66桂・同金・53桂成・同歩・65金・同金・同竜・同玉・66金・54玉・45馬・同玉・46銀・54玉・45銀・同玉・34銀・54玉・46桂・同香・44銀成 まで21手
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詰上り図
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普通の曲詰だが、古図式の曲詰の字は漢字で種類は少ない。


「古図式の諸手筋一覧表」では省かれているが、曲詰の親戚の「大小詰物」がある。
太陰暦では「大の月」(30日)と「小の月」(29日)が、年毎に不規則に12か13月あり、玉方か攻方かの区別で暦を表す。
「将棋極妙:第11番」:詰上がり「大小詰物」
33桂成・同歩・44銀成・同玉・62角成・同歩・45金・43玉・44金・同玉・45馬・43玉・33飛成・同玉・25桂・同銀・23金・43玉・32銀・52玉・53歩・61玉・73桂不成 まで23手
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詰上り図
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1776年は「大の月:1・3・5・7・9・10・11」「小の月:2・4・6・8・12」の12月の年だ、15香から23金から・・・73桂の順で玉方=大の月となっている。
「将棋極妙」の中の「大小詰物」は須賀源蔵・門脇芳雄氏によれば18局だ。
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第895番は陣形図式に出来なかった素材で、3段目までに初形を閉じ込めた。
同時に点対称的な、配置にまとめた。
第899番は本館1月新題の33手詰の作図中に現れた手順を、分離したミニ繰り返し手順を含む作品だ。
曲詰に入れる事は無理だった。
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第899番35手詰
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作意は、 2019/02/24 へ
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2019/01/07 の作意
第895番:
23角・同玉・24歩・同玉・25金・23玉・32角成・同玉・41飛成・22玉・24香・23角合・同香成・同玉・32角・同銀・21竜・同銀・35桂・22玉・23金・31玉・43桂不成 まで23手


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「古図式の立体曲詰」2 [詰将棋]

「古図式の諸手筋一覧表」では「秘曲集・71番」はウラ・オモテ曲詰(立体曲詰)にはなっていない。
「秘曲集・71番」:「2」??>「三」
54飛・同金・同馬・同玉・45金・64玉・65香・同金・同銀・同玉・55金打 まで11手
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詰上り図
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初形「2」は充分読めると思うが作られた時代にはアラビア数字は一般的には使用されていない。
偶然の初形だとの見方が多いと思う、一方では条件作とすると「偶然かどうかは無関係」の考えもある筈だ。
三木宗太著「江戸詰将棋考」に「趣向型詰将棋のルーツ」の論考がある。
そこでは条件作の最初の作が紹介されている。
曲詰では「勇略」(象形)、「妙案」(あぶり出し)、「秘曲集」(立体)の1号作は「古図式の諸手筋一覧表」と同様に紹介されているが、「秘曲集・71番」は無い。
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濁音・半濁音の仮名文字のあぶり出し曲詰は作例が少なく、丸山正為作「将棋イロハ字図」と、岡田敏作のいくつぐらいしか知らない。
丸山正為作「将棋イロハ字図」の濁音文字では、濁音記号は横にくっついた2駒で表している。
個人的には縦でも横でも斜めでも、離れた2駒で表す事にした、これは岡田敏作のデザインと同じだ。


丸山正為作「将棋イロハ字図・106番」「べ」
31馬・11玉・22馬・同玉・23金・21玉・31飛成・同玉・42銀成・同玉・33金・53玉・63桂成・44玉・54金・同玉・46桂・同と・36馬・同と・45銀 まで21手
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詰上り図
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「バ」は疑問局だ。
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第898番は濁音でのみ可能な文字デザインだ。
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第898番詰図の舞「文字詰」:17手詰
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作意は、 2019/02/18 へ
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2019/01/01 の作意
第894番:詰図の舞「文字詰」「バ」(19/09/21修正)
68金・同玉・88竜・67玉・56銀・57玉・77竜・56玉・55金・同金・47竜・66玉・55馬・同玉・56金 まで15手
詰上り図
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「古図式のウラ・オモテ(立体)曲詰」 [詰将棋]

「古図式の諸手筋一覧表」によると、ウラ・オモテ曲詰(今は立体曲詰と呼ぶのだろう)は「妙案・80番」(前々回参照)の次は、「秘曲集・76番」「秘曲集・82番」となる。
「秘曲集・76番」
57桂・同と・66歩・54玉・45竜・同玉・46歩・54玉・53金 まで9手
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詰上り図
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「秘曲集・82番」
95金・75玉・76銀・64玉・75銀打・55玉・56銀・44玉・55金・35玉・36銀・24玉・35角・15玉・16歩・同玉・17歩・15玉・16金 まで19手
不要駒・飾り駒の有無は「秘曲集」ではあまり議論しないのだろう?。
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詰上り図
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3作共に対称形>対称形だ、文字は?気になる作品が有るのだが・・・・・。
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「密集形(3X3)」は盤中央でかつ変化で形が崩れない作に限定しても複数見た記憶がある、ただ手元で直ぐに見つからない。
手数が短く(3X3)内の手順のタイプと、(3X3)の外から追い込む中編タイプがあるようだ。
第893番は外から入って来ないが、外に追いだす変化がある。
「密集形(3X3)」作例としては、
「田中至作・曲詰創作と楽しみ方 詰将棋孝・第9番」「密集形(3X3)内」
45飛・同銀・33角・同角・44銀・同角・46銀・同銀・45金・同桂・65金 まで11手
3重立体曲詰風だ
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詰上り図
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「門脇芳雄作・曲詰百歌仙・第87番」「外から追い込む密集形(3X3)」
曲詰百歌仙には「密集形(3X3)」が3作有るが、盤中央で乱れがないのは知名度の高いこの作品だ。
75銀・同銀・83飛成・64玉・53竜・同玉・43竜・同玉・54銀・42玉・33桂成・同玉・42角・22玉・31角成・33玉・42馬・44玉・56桂・55玉・66金打・同歩・65金・同香・64銀・同銀・同馬・同桂・44銀 まで29手
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詰上り図
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密集形とは対称的なのが分散形であり、そこからイメージする形の1つが第897番だ。
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第897番詰図の舞「分散形の図形」:21手詰
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作意は、 2019/02/12 へ
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2018/12/26 の作意
第893番:詰図の舞「密集形(3X3)」
47桂右(A)・同金(あ)・77角(B)・同銀不成(い)・66金・同銀成(非限定)・47桂・同香成・45金・同歩・46金・同成香・44馬・同銀直・54金・同銀・64竜 まで17手
(A)77角・同銀不成・47桂右・同香成以下不詰
(B)66金・同玉・77角・同玉・78金・同玉・76竜・69玉・68金・59玉・79竜・48玉・26馬・37金・39銀・47玉・49竜・48銀合以下不詰
(あ)同香成は、66金・同玉・77角・同玉・78金・86玉・68馬・77歩合・同馬・同銀成・85金・97玉・77竜以下17手駒余り
(い)同銀成は、66金・同玉・67金・同成銀・76金以下
詰上り図
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「古図式のあぶり出し曲詰」 [詰将棋]

「古図式の諸手筋一覧表」によると、あぶり出し曲詰は「妙案・82番-95番の11作」からだが、「妙案」ではその前の番号は趣向詰が並び、82番から条件作が並ぶ。
83番:盤面象形
84番:無仕掛け
96・97・98・99番:煙詰(ミニ)
100番:周辺巡り


江戸時代では、あぶり出し曲詰は「秘曲集・101番」の他に「将棋玉図」「将棋極妙」に複数あり、「無双」「図巧」「舞玉」「巧格」は1局ずつとなっている(有名作が多いが)。


漢数字「一」(55玉詰め上がりで変化で崩れない)は収束形が少ない。
第891番は収束5手に変同と変長あり、収束3手に変同があるが修正不能だ。
第892番はデザインを変えたが「一」と読まれるかが疑問がある。
「一」ぼ作例としては、
「門脇芳雄作・曲詰百歌仙・第5番」「一」
52飛成・同玉・53銀成・同玉・43歩成・同玉・42金・同香・55桂・54玉・45金・同香・32馬・55玉・65馬 まで15手
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詰上り図
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「田中至作・過雁組曲・第75番」「一」
64歩・62玉・61桂成・53玉・63歩成・同玉・54銀・同銀・62成桂・同玉・54桂・63玉・55桂・54玉・65銀・同と・72馬・55玉・45馬 まで19手
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詰上り図
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収束は「一」の決定番的な類似形になるが、邪魔駒32金消去か、54桂発生かで別れる。
第896番は別の収束形だが、収束9手が類似形で7手が同手順の作がある。
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第896番「漢数字」-4:21手詰
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作意は、 2019/02/06 へ
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2018/12/20 の作意
第891番:「漢数字」-2:「一」17手詰(既発表作の修正)
27銀・19玉・28銀・同玉・68竜・27玉・36角・同玉・46金・37玉・47金・同玉・56飛成・同玉・55角成・同玉・65竜 まで17手
詰上り図
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第892番:「漢数字」-3:「一(変形)」17手詰
65銀左・同桂・55銀・同桂・43飛成・同玉・55桂・54玉・46桂・55玉・22角成・44歩合・同馬・同桂・56歩・同桂・66銀 まで17手
詰上り図
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大塚播州著「古図式の諸手筋一覧表」 [詰将棋]

大塚播州(大塚敏男)著「古図式の諸手筋一覧表」(1969年)がある。
詰パラに発表したものを集めたもので、私が保有するのはコピー版だ。
多数の項目があるが、その中の曲詰は
(象形)・(あぶり出し)・(ウラ・オモテ)の3つだ。
「象戯童翫集」は公開される以前だから空欄となっている。


「古図式の諸手筋一覧表」によれば
(象形)は「勇略・91番」から
(あぶり出し)は「妙案・82番-95番の11作」から
(ウラ・オモテ)は「妙案・86番」からとなっている。


「勇略・91番」(象形)対称形
67金・同玉・59桂・57玉・66銀・同玉・68竜・55玉・47桂・45玉・65竜・34玉・35竜・43玉・55桂・52玉・32竜・51玉・63桂・61玉・71桂成・同玉・73香・81玉・72香成・92玉・73成香・93玉・82竜・94玉・83竜・85玉・96歩・同玉・87竜・95玉・96歩・94玉・83竜まで33手
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「妙案・91番」(あぶり出し)「卍」
34銀・44玉・45歩・同桂・33銀打・54玉・63銀・65玉・77桂・同飛成・54銀打 まで11手
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詰上り図
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「妙案」には市松・引き違い・大菱も含まれている。


「妙案・86番」(ウラ・オモテ)?
53飛・65玉・66飛・75玉・73飛成・74歩合・76飛・65玉・74竜・55玉・56飛・45玉・54竜・35玉・36飛(あ)・同玉・34竜・46玉・37銀・55玉・56歩・65玉・66歩・75玉(い)・76香・同玉・74竜・66玉・77銀・56玉・54竜・55歩合・57香 まで33手
左右対称から左右対称になり、詰パラ古図式全書の門脇芳雄氏解説では完全作扱いだが、作意に疑問があり、柿木将棋では
(あ)36歩で詰み有り、(い)66同玉で不詰となる疑問局だ。
コンピュータ将棋で古図式の不完全が多数見つかっている筈で、その1つだろう。
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第895番23手詰
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作意は、 2019/01/31 へ
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2018/12/14 の作意
第890番:落城の舞:15手詰
61竜・42玉・41竜・33玉・25桂・22玉・14桂・同香・13角不成・11玉・12歩・同玉・32竜・同銀・22金 まで15手
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