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不動駒ばかりの対称形のあぶり出し曲詰 [詰将棋]

2019年5月最初に数学者・志村五郎氏が死去した。
「谷山・志村予想」で有名な数学者だ。
将棋愛好家であり詰将棋作品もある筈で、図面を見た記憶がある。
詰将棋や将棋と、数学とを話題にすると出て来る名前だった。


第921番は一応はあぶり出し対称形曲詰だ。
対称だけで、しかも馬を除くと不動駒で配置が構成されている。
想像される様に、普通作を後から配置変更して作図した。
狙いが馬の翻弄なので、それだけ動くのは不思議はない。
あぶり出し曲詰作家は、不動駒数を意識するようだ。
1:浮かび上がる形が見え難くしたいため
2:逆算技術を追及したいため
3:手順・手順構想が作図動機でないため捌き手順になる
等が理由だろう。
第921番も戯作感がある。
5手詰にすれば立体になるが、戯作感も薄れる。


江戸時代の対称形や図形曲詰にも、似た作品はいくつかあった。


添田宗太夫作「将棋秘曲集・第61番」
35金・同と・23竜・同桂・24金・44玉・54金・同玉・57香・64玉・53銀・74玉・83飛成・同玉・84金 まで15手
23竜と24金を左右で行う、詰上がり「三角」
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詰上り図
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酒井桂史作「酒井桂史作品集(野口版)・第39番」・仮名文字「ヨ」
44角成・同銀・同銀成・同香・36金・同角(あ)・37桂・55玉・66銀・54玉・64銀成 まで11手詰
(あ)同とで、変化同手数、14角の必要性が不明だ?。
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詰上り図
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第922番は、簡素な小駒図式だ。
第927番・第928番は、盤面「と歩図式」。
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第927番と歩の舞:13手詰
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第928番と歩の舞:15手詰
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作意は、 2019/06/24 へ
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2019/05/07 の作意
第921番:詰図の舞「対称図形」:
56金・同馬・46金・同馬・56銀・同馬・66銀・同馬・46銀 まで9手詰
詰上り図
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第922番:続小駒の舞:
33桂打・同銀・23香・22金・33桂不成・11玉・21桂成・同玉・32銀・11玉・22香成・同玉・23金・11玉・21銀成・同玉・32と・11玉・22と まで19手詰

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仮名文字濁音「ギ」「ヅ」 [詰将棋]

仮名文字には盤面駒で読みやすい文字と、逆に難しいものがある。
例えば「キ」「ギ」はほぼ間違いなく読んで貰える。
斜め線が多く、類似文字がある文字は、読みにくいし読まれにくい。
例えば「シ」「ジ」、「ソ」「ゾ」、「ツ」「ヅ」であり「ン」も加わる。
左の点を1駒で表すか2駒か?、横棒か縦棒か斜めか?。
それに濁音では濁点のデザインもかかわる。
同時に全てデザインしてから作図始めれば良いと思うのだが、現実は作りながら個別に考える事になってしまう。
私は、濁点の有無を含めて異なるデザインを模索しているので、今だに習作状態だし、結果的に間違ったと思う事もある。

「将棋イロハ字図」は、濁点の有無を含めてデザインの共通性が高いのが特徴だ。
丸山正為作「将棋イロハ字図(コピー版)・第118番」・「ヅ」
32と(A)・23玉・24銀成・同成桂・22と・13玉・12と・23玉・22桂成・33玉・35飛・同成桂・24銀・44玉・35馬・55玉・47桂・同金上・57香・同金・46金 まで21手
(A)3手目との手順前後あり。
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詰上り図
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丸山正為作「将棋イロハ字図(コピー版)・第138番」・「ギ」

42香成・同玉・82飛成(非限定)・43玉・42竜・同玉・32歩成・43玉・44銀・54玉・53桂成・同桂・36馬・同と・65竜・同玉・54角・同玉・55金 まで19手
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詰上り図
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酒井桂史作「酒井桂史作品集(野口版)・第38番」・仮名文字「カ」
75金・同成桂・66飛・同と・74銀打・同成桂・同銀不成・54玉・45馬・同玉・37桂・同と・46金・54玉・55金 まで15手詰
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詰上り図
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第919番・第920番は、駒数が少ないデザインの仮名濁音・半濁音だ。
第925番・第926番は、大駒で詰め上げるデザインの濁音・半濁音仮名文字だ。
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第925番詰図の舞「仮名濁音」:29手詰
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第926番詰図の舞「仮名半濁音」:13手詰
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作意は、 2019/06/18 へ
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2019/05/01 の作意
第919番:詰図の舞「仮名濁音」:「ギ」
67銀左・同銀不成・57金・55玉・65馬・同玉・66香・55玉・45金・同玉・35金・55玉・64馬・同桂・65金 まで15手詰
詰上り図
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第920番:詰図の舞「仮名濁音」:「ヅ」
45飛・同玉・36角・同香・35金・55玉・67桂・同と・65金・同玉・75と・55玉・47桂 まで13手詰
詰上り図
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市松は大型曲詰が主流か? [詰将棋]

盤面中央の市松図形や、小型市松は、意外と少数派だ。
市松図形は江戸時代を含めて、盤面全体に広がった大型曲詰が多い、一回り小さい中型曲詰も多くはない。
そして盤面中央ではなく、片側に寄せたデザインが多い。
そして、盤面全体のデザインは既に多数あるし、まだまだ新しいデザインもあるだろう。
田中至作「白雁組曲(上)」「白雁組曲(下)」は、それぞれ全駒市松の50番集だ。
寄書と呼べる個性的作品集であり、市松デザインの宝庫だ。
形の性格上で、大型の部分を切り出し小型曲詰のデザインにする事は可能だ、ただし盤の端と中央では異なる。
久留島喜内桑原君仲作「将棋極妙・第99番」・江戸時代の大型「市松」(2019/05/19訂正)
77角・88歩成・89飛・98玉・99歩。89玉・78銀・同玉・68金・87玉・79桂・同と・88歩・76玉・65馬・同玉・55と・同歩・66金・74玉・86桂・同香。83銀不成・同玉・84銀・72玉・64桂・同と・71と・同玉・62金 まで31手
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詰上り図
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岡田敏作「解いて楽しいあぶりだし詰将棋・第22番」・「市松」
63香・72玉・62香成・81玉・54角・62桂合・同角成・同金・93桂・同金・72成香・同玉・82金・61玉・62歩・52玉・41飛成・同玉・32と・同玉・42金・21玉・22銀右成・同と・11香成・同玉・13飛成・同と・22金 まで31手
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詰上り図
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酒井桂史作「酒井桂史作品集(野口版)・第37番」・仮名文字「ワ」
74角・同銀・41飛成・53玉・45桂・同金・58香・同成香・54歩・同玉・45竜・同玉・35金・同と・55金・同玉・33角・54玉(あ)・44角成 まで19手詰(あ)45玉で変化同手数で、文字崩れ。
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詰上り図
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第918番は、正方市松図形あぶり出し曲詰で、4X4は中央での最小状態。
第924番は、「6X6市松図形」だが、正方形ではない。
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第924番詰図の舞「市松図形」:23手詰
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作意は、 2019/06/12 へ
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2019/04/25 の作意
第918番:詰図の舞「市松図形」:「4X4正方市松」:
54銀成・同玉・53角成・65玉・77桂・同と引・76金・同と引・77桂・同と左・66歩・同と・75飛・同銀・同金・55玉・44銀・同桂・64馬 まで19手詰
詰上り図
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漢数字「三」 [詰将棋]

漢数字「三」はほぼ一種類のデザインであり、手ごろな小型曲詰の作品になる。
私は50年前に「三」の作図経験があり、今回の第917番では小駒図式を目指した。
「三」は、「一」「二」を含み、「五」「王」に発展する可能性がある。
3本の横棒のどこにも玉を配置出来るが、中央以外のメリットは不明だ。
詰上がり駒数10枚は小型曲詰の上限くらいかと、感じる。
田中至作「過雁組曲・第77番」・「三」
97竜・83玉・84角成・同玉・95角・75玉・65金・同歩・86竜・64玉・73角成・同玉・65桂右・64玉・53銀・55玉・56竜・同玉・57銀・55玉・45飛・同金・47桂 まで23手
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詰上り図
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「童翫集(野口版)・第3番」・「三」
31竜・44玉・45銀・55玉・67桂・同と・46銀・同桂・同馬・同玉・36竜・55玉・56銀(A)・同馬・47桂(B)・同馬・45竜 まで17手
(A)66金以下、同と・56銀・同と・45竜・66玉・65竜右・77玉・74竜引以下詰み。
(B)35竜・45合・47桂以下詰み。
修正困難、特に初形が33玉の条件では厄介そうだ。
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詰上り図
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酒井桂史作「酒井桂史作品集(野口版)・第36番」・仮名文字「ヲ」
56飛(A)・同成桂・55歩(B)・同成桂・43銀不成・同金・同銀不成・同玉・42銀成・44玉・43金・54玉(あ)・53金(C)・64玉・63金・54玉・53成香・44玉(い)・43成銀・45玉・36銀 まで21手詰
(A)(B)43銀引不成の手順前後有り。
(C)53成香で非限定。
(あ)45玉で変化同手数で、文字崩れ。
(い)45玉で変化同手数で、文字崩れ。
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詰上り図
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第917番は、小駒図式の作図の限界が目立つ。
第923番は、バランスが取れた小駒図式だと思う。
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第923番詰図の舞「漢数字」-12:23手詰
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作意は、 2019/06/06 へ
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2019/04/19 の作意
第917番:詰図の舞「漢数字」-11:「三」:27手詰
43桂成・同玉・53歩成・同歩・52銀不成・54玉・64金・同香・44金・同玉・45香・54玉・63銀打・同桂・43銀不成・55玉・46銀・同玉・47金・55玉・66銀・同玉・76金・55玉・67桂・同香成・65金 まで27手詰
詰上り図
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図形性の弱い「対称形」 [詰将棋]

「駒の舞」本館の、定期更新を2019/05/01に行った。
4月の1番は、シンプルな初形で、類作があるかも知れない。
終わり9手からの逆算で、曲詰で練習した成果か・・・。
4月の2番はあぶり出し「対称形」の曲詰だ。
対称以外は図形性がないデザインであり、収束からの逆算をしながら形を変えている。
通常のあぶり出し曲詰では、詰め上がり形を逆算で変える事は少ない(微調整はかなり多くあると思う)。
対称形だけの場合は、作図中に形を変えて整える事も想定している。
2番は作図例の多い手筋であり、趣向作の例もある(手元に図はないが田中鵬看作「神風特攻隊」だと思う)。
58角不成の所から、駒配置を変えはじめた、余詰防止の74の駒は、34にも必要になり「対称形」を維持出来た。
あぶり出し曲詰の不成は自然な1-2回だけでも良さそうと感じた。
5月の1番はやや崩れた陣形図式。
5月の2番は、攻め方の不成が1回だけ入った、あぶり出し「図形」だ。
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第915番は初形も詰め上がり形も、清貧小駒図式(成駒なしの、桂香歩(単玉))だ、自身でも過去に作図例はある。
田原宏作「小駒の舞:第25番」
13桂成・同玉・12桂成・同玉・11桂成・同玉・12歩・同玉・13歩・同玉・14歩・同玉・15歩・同玉・16香・同玉・25桂 まで17手詰
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詰上り図
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使用駒の条件作には、詰め上がりも同じ条件作になり易い条件はいくつかある。
小駒図式・金銀図式(金持図式)・純と歩図式・無防備図式等が該当するだろう。
裸玉・歩一色図式・純香一色図式・無仕掛図式では、実現出来ない。
作るだけなら可能な条件が多い。
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酒井桂史作「酒井桂史作品集(野口版)・第35番」・仮名文字「ル」
94香・同玉・84金・95玉・85金・同玉・76銀・同玉・86金・65玉・64と・55玉・45馬・同玉・46金 まで15手詰
やや珍しいデザインの「ル」。
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詰上り図
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第921番は、後付け曲詰で、配置がほとんど不動駒だ。
第922番は、小駒図式で手順のリズム感が狙い。
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第921番詰図の舞「対称形」:9手詰
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第922番続小駒の舞:19手詰
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作意は、 2019/05/31 へ
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2019/04/13 の作意
第915番:続小駒の舞:15手詰
11歩成・同玉・13香(非限定)・12歩合・23桂・同歩・12香成・同玉・13香・21玉・22歩・同玉・14桂・21玉・33桂不成 まで15手詰
詰上り図
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第916番:無掛の舞:23手
14桂・同歩・12金・同玉・21銀・同玉・13桂・22玉・12金・同玉・21銀・22玉・11銀・33玉・45桂・42玉・32銀成・51玉・52金・同玉・53金・51玉・42成銀 まで23手

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