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曲詰「漢字・川」 [詰将棋]

漢字には線が交わったものや、線が密集したものや、線数(画数)が多いものが多い。
それ故に私的には、盤と駒であぶり出し曲詰を作るには次をまず目安にした、
1:小型曲詰「5X5」の面積に入る文字が望ましい。
2:詰上がりの駒数が多すぎる文字は避けたい(個人的には10-13枚程度)。
3:駒が密集しすぎると作り難い>経験則だ>「曲詰・密集図形」は別途作図して目安を考える事にする。
その他にも盤駒で作りにくい文字は多数あると思う。

曲詰では駒と駒は(主に線と線)
「1:接触する」、「2:1駒以上離れる」だけしか表現出来ない。

だが、実際の漢字は
「3:接触するが僅かだけ離れる」「4:1駒以下だけ離れる」状態が多い。
盤駒での曲詰では「3」「4」は無理なので、「1」「2」のどちらかで代用する事になり、漢字としては読みづらくなる。
それの対策とデザインが漢字の課題となる(本当は醍醐味と言いたいのだが・・・)。

「漢字・川」は完全に離れた線が3本という少数派の漢字だ。
接触と密集の問題は無いが、逆に詰上り図が作り難い事が問題になる。
「漢字・川」作図例は岡田敏作にあり、縦線が「4・3・4」のデザインだ。
単独線では縦5駒が作図しやすく4駒では難しい事もあり、中央に玉を置いた岡田敏作のデザインになりそうだ。
第989番は同じデザインで、異なる逆算手順となった。

岡田敏作「詰の花束 第474番」「漢字・川」
24銀・同玉・35角・33玉・34歩・同桂・25桂・22玉・12歩成・同玉・23銀成・11玉・22成銀・同玉・32桂成・同玉・72竜・43玉・33桂成・54玉・63竜・同玉・75桂・同銀・73馬・54玉・55金 まで27手詰
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詰上り図
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今田政一作「将棋竜光(大塚播州編・コピー版:第34番」「八卦詰-4」
51香成(A)・同銀・53桂・52玉・51角成・同玉・73角成・同歩・42銀成・同玉・41飛成・53玉・54銀打・44玉・43竜・同金・35銀・55玉・56香・同玉・65銀・55玉・47桂 まで23手詰
(A)51角成・同銀・42銀成以下余詰。53香>52香の誤図か?。
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詰上り図
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第989番は、「詰図の舞」・「漢字・川」だ、面積=6X4、駒数=11、不動駒=2、中央の縦3が意外と作り難い。
第993番と第994番は、「詰図の舞」・「漢字」11手詰・「漢字」13手詰。
シンプルで駒数の少ない漢字だが、デザインで悩む漢字だ。
左右対称形のデザインもあるし、2つを対称形で作る考え方もある。
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第993番:「詰図の舞」「漢字」11手詰
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第994番:「詰図の舞」「漢字」13手詰
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作意は、 2020/06/24 へ
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2020/05/07 の作意(スクロール)

第989番:「詰図の舞」「漢字・川」
54竜・同香・44角・同玉・34金・45玉・36銀・同桂・35金上・同銀・37桂・55玉・66銀・64玉・76桂・同と・65銀・同玉・74馬・55玉・56金 まで21手
詰上り図
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「竜光」と「極妙」の「八卦詰」 [詰将棋]

今田政一作「将棋竜光」八卦詰と、桑原君仲作「将棋極妙」八卦詰の対照。

「将棋極妙・第1番・23手詰」
>今田政一作「将棋竜光・第38番・25手詰」
「極妙・第2番・19手詰」>「竜光・第34番・23手詰」
「極妙・第3番・17手詰」>「竜光・第33番・15手詰」
「極妙・第4番・15手詰」>「竜光・第35番・17手詰」
「極妙・第5番・21手詰」>「竜光・第32番・17手詰」
「極妙・第6番・11手詰」>「竜光・第36番・15手詰」
「極妙・第7番・15手詰」>「竜光・第37番・17手詰」
「極妙・第8番・11手詰」>「竜光・第31番・21手詰」

詰上り図形は同じデザインだが作品集の並べ順は異なる。
八卦的に順序があるのかどうかは、判らない。
個人的には図形でかつ「5X5」にきっちり収まるのは好ましいし、8局シリーズは適度な数にも思える。
逆には似た図形が並ぶ「八卦詰シリーズ」は創作意欲的にやや劣るとも思えて微妙だ。
図形からは、当然ながら詰上り玉位置は55玉とは限らない。

「将棋極妙」には、暗示(象徴)型大小詰将棋と呼ばれる作品18作と、「漢字・大」12作と、「漢字・小」12作を含めて、52作があぶりだし曲詰の百番集で、江戸時代としては「秘曲集」に次ぐ曲詰作の数の多い作品集だ。

桑原君仲作「将棋極妙 第5番」
63銀不成・同香・65角・同歩・75歩・64玉・65歩・54玉・59飛・44玉・45歩・同玉・46馬・同金・55飛・44玉・45歩・同金・同飛・同玉・55金 まで21手詰
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詰上り図
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今田政一作「将棋竜光(大塚播州編・コピー版:第33番」「八卦詰-3」
65歩・同金・75馬・同金・73銀不成・55玉・75竜・同銀・65金・45玉・44金・同玉・33銀不成・45玉・57桂 まで15手詰
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詰上り図
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第988番は、「続小駒の舞」、「貧乏小駒図式」桂の打ち捨てが狙いだ。薄味はこの条件での特徴で、ある程度の手数が必要だ。
第992番は、打ち捨て手筋作の、17手詰。
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第992番17手詰
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作意は、 2020/06/18 へ
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2020/05/01 の作意(スクロール)

第988番:「続小駒の舞」
22と左・同歩・12歩・21玉・31と・同玉・23桂・同歩・41歩成・21玉・33桂・同と・32と・同と・33桂・同と・22歩・32玉・42と まで19手


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曲詰「濁音仮名・ブ」 [詰将棋]

「仮名文字・フ」は大きさと駒数の異なる複数のデザインが可能だ。
従って、全体の大きさやバランスを妥協すれば、「フ」の濁音「ブ」・半濁音「プ」も複数のデザインが可能だ。
第987番「濁音仮名・ブ」の、「仮名文字・フ」の部分は最小形の一歩手前だが、駒数が減った事で文字に見えづらくなる傾向があるのは仕方がない。
第987番は、たまたま、収束の素材があったから作ったのが創作動機だ。
創作動機が収束素材が有ったからと言う理由は、第991番にも当たる、同じ字を2回以上作るには色々と動機はあるのだ。

丸山正為作「将棋イロハ図(コピー版)第129番」「ブ」
21歩成・41玉・42歩・同飛・31と(A)・同金・42桂成・同玉・31角成・同玉・22金・41玉・31飛・42玉・32飛成・53玉・64銀(B)・54玉・57飛・同桂成・46桂・同香・34竜・同銀・44金 まで25手詰
(A)42同桂成・同玉・72飛・62歩合・同歩成・同角・43歩・同玉・34金・同銀・52飛成・同玉・57飛・同桂成・61角以下柿木将棋ならではの難解な余詰有り。
(B)57飛との手順前後有り。
別に62竜以下43玉・34金・同銀・53金・33玉・23金・同玉・22竜以下余詰有り。
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詰上り図
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今田政一作「将棋竜光(大塚播州編・コピー版:第32番」「八卦詰-2」
35銀・同香・45竜・同銀・33銀・54玉・53桂成・同歩・55歩・64玉・73馬引・同歩・65歩・同金・同馬・同玉・75金 まで17手詰
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詰上り図
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第987番は、「詰図の舞」・「濁音仮名文字・ブ」15手詰だ。飛不成がある収束素材から、曲詰収束を見つけた。
第991番は、「詰図の舞」、「濁音仮名文字」23手詰。
駒を殆ど捌かない収束素材が有ったから作った、ただし序盤4手は省くべきかも知れなく、悩ましい。
「仮名文字・濁音半濁音」シリーズの最終局です。当面このシリーズで作りたい題材・素材は無くなった。
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第991番「詰図の舞」「濁音仮名文字」23手詰
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作意は、 2020/06/12 へ
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2020/04/25 の作意(スクロール)

第987番:「詰図の舞」「濁音仮名文字・ブ」
36金・44玉・54馬・同歩・42飛成・55玉・45金・同飛不成・47桂・同飛不成・46銀・同飛成・56歩・同竜・64銀 まで15手
詰上り図
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曲詰「図形・輪(小円)」 [詰将棋]

小川悦勇作「球(ピンポン球)」は「3X3」の盤面中央の駒4つの特異な詰め上がりだ(ブログ・詰将棋駒の舞(三番館):2018/03/25)。
この詰上がりが「球=円=輪」か、「菱型」か「市松」かそれ以外の何に見えるかはシンプルさ故に人それぞれに見方が異なるだろうし、多様さがある。
ただし仮名文字の半濁音記号でも使うので私個人は「小さな円=輪」の意識が強い。
岡田敏氏が別の逆算は困難としてこの形は作図しなかったらしい。

安達栄司作「五輪」(看寿賞作品集・第13番)は、「TO」「K」「YO」「五輪」の組曲の1局であり、「輪「3X3」」を盤面に5つ並べた大型曲詰だ。
注目される使い方だが、こちらは大型曲詰の難しさがある。
そこで中間の図形を考えた、その1つが第986番の「図形・三輪(小円)」だ、「一輪」「五輪」と比べて地味だから小駒図式を目指した。

安達栄司作「五輪」(看寿賞作品集・第13番)
63金・71玉・73竜・72角合・同金・同竜・93角・81玉・72竜・同銀・71飛・92玉・72飛成・93玉・82銀・94玉・74竜・84角合・同竜・同歩・72角・83金合・同角成・同玉・73桂成・94玉・93金・85玉・86銀・76玉・77成桂・65玉・54銀不成・55玉・65金・44玉・36桂・同と・45歩・35玉・36成香・34玉・24と・同金・35歩・同金・同成香・同玉・24角・25玉・17桂・16玉・26金・17玉・28金 まで55手詰
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詰上り図
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今田政一作「将棋竜光」には、大型曲詰:9局と、第31番-第38番までの小型曲詰「八卦詰」がある。
小型曲詰から紹介したい。「八卦詰」は4作が不完全か?。

今田政一作「将棋竜光(大塚播州編・コピー版:第31番」「八卦詰-1」
67桂・65玉・43馬・同歩・77桂・64玉・65歩・同銀・73銀不成・同金・54金・同銀・同と・同玉・65銀・44玉・33飛成・同歩・53角・45玉・35角成 まで21手詰
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詰上り図
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第986番は、「詰図の舞」、「図形・三輪(小円)」35手詰だ。小駒図式でもある。
第990番は、「詰図の舞」、「図形」15手詰、第986番と同じ発想だ。
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第990番「詰図の舞」「図形」15手詰
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作意は、 2020/06/06 へ
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2020/04/19 の作意(スクロール)

第986番:「詰図の舞」「図形・三輪(小円)」
64銀成・同玉・74と・同玉・75歩・64玉・76桂・73玉・74歩・同玉・64桂・同玉・75金・54玉・53金・同玉・43歩成・54玉・44と・同玉・34金・同玉・37香・同と・35歩・44玉・43銀右成・54玉・55歩・同金・同銀・同玉・46金・54玉・66桂 まで35手
詰上り図
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曲詰「漢字・山」 [詰将棋]

「5X5・小型曲詰」で作図可能な漢字として思い付く字の1つが「漢字・山」だ。
そして「山」は正しく漢字として読んで貰える字でもある。
だが作例が江戸時代からある「大」「小」より少なく、それは不思議だが歴史的な意味も考えられる。
岡田敏作「漢字・山」のデザインは「5X3」であり縦線が「2・3・2」の長さだ、バランスは良い。
他には縦線が「2・4・2」の「5X4」と、縦線が「3・5・3」の「5X5」のデザインもありそうだ。
第985番は「5X4」を採用したが、「5X3」に近いデザインと思う。
従って、「5X3・山」の岡田敏作の75竜の詰上がりと、収束の雰囲気は似ている。
岡田敏作には2文字漢字曲詰「大山」があるが、「山」は同じデザインだ。

岡田敏作「詰の花束・第355番」「漢字・山」「5X3」
34角成・55玉・33馬・44歩合・同馬・同玉・35銀・45玉・55金・同玉・33角成・65玉・76銀・同桂・66歩・64玉・55馬・同玉・75飛成 まで19手詰
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第48番」・「ス」
77角・同桂成・54銀成・同玉・43銀・同玉・33と・54玉・56飛(A)・同と・43銀・同と・63飛成・45玉・36金・55玉・66角・同と・46金 まで19手詰
(A)43銀以下45玉・34銀不成・54玉・56飛以下迂回手順が成立。
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詰上り図
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本局で「新イロハ歌詰」48局は全て終了です。
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第985番は、「詰図の舞」、「漢字・山」だ、小型曲詰で作れそうな漢字の1つだ。だが微妙に密集度が高い。
第989番は、「詰図の舞」、「漢字」25手詰、この字も岡田敏作の前例がある。
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第989番「詰図の舞」「漢字」25手詰
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作意は、 2020/05/31 へ
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2020/04/13 の作意(スクロール)

第985番:「詰図の舞」「漢字・山」
53角成・同香・34金・同玉・36香・45玉・35金・56玉・55金・同玉・67銀・56歩合・同香・同桂・45金打・65玉・64銀成・同玉・65歩・同玉・76銀・64玉・55金・同玉・75竜 まで25手
詰上り図
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