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濁音仮名文字「ザ」「ダ」 [詰将棋]

濁音の仮名文字「ザ」「ダ」は共に、濁音の中では駒数が多い文字だ。
それ故に濁音記号の処理が難しい。
濁音記号付近で玉が移動する構成で作図するかどうかが悩ましい。
濁音記号と、一番遠く離れた配置駒との距離が、中形曲詰レベル位に離れているからだろう。
第942番・第943番共に玉は濁音記号に接しない、それは「詰の花束・第609番」も同じだ。
離れた濁音記号の意味付けを探す事が、小形曲詰の作成法の1つだろう。
「将棋イロハ字図・第139番」は濁音記号の部分から始まるが、その部分に致命的な早詰がある。

丸山正為作「将棋イロハ字図・第139番」・「ザ」
12歩成・同香・23香・31玉・22香成(A)・41玉・42と・同玉・54桂(B)・53玉・64銀・54玉66桂・同成銀・55歩・同馬・65金(C)・同成銀・同角(D)・同馬・46桂・同銀・45銀 まで23手詰
(A)43と以下余詰、修正困難。
(B)32飛成以下53玉・64銀・54玉・66桂・同成銀・55歩・同馬・46桂・同銀・55銀・同玉・52竜・53金合・67桂以下、難解な余詰らしい(柿木将棋による)、これも修正困難。
(C)46桂の手順前後が成立する。
(D)46桂の手順前後が成立する。
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詰上り図
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岡田敏作「詰の花束・第609番」「ダ」
85飛・同と・64金・同玉・63桂成・同香・53銀不成・同金・74銀成・65玉・32角成・同金・57桂・同と・67香・同と・56銀打 まで17手
43の地点を空けたデザインがアイデア。
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第5番」・「ウ」
79竜・58玉・59銀・49玉・48銀・同玉・47金・同玉・56銀引・同玉・65銀・66玉・58桂・65玉・64金・同桂・74角(A)・54玉・55馬・同玉・75竜・同竜・44銀・54玉・46桂 まで25手詰
(A)結果発表時に余詰、66銀・同竜・74角・54玉・66桂以下。
66銀に54玉は、65角・63玉・64馬・62玉・73竜・61玉・43角成・52歩合・同馬・同玉・63馬以下。
他にも38馬以下も成立、56桂跳・74銀・54玉・32角・43香合・27馬・55玉・45馬・64玉・63銀成・65玉・43角成・54桂合・同馬・同香・同馬・同玉・74竜以下。
どちらも手数の長い余詰だが飛駒の多い構図の宿命だ。
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詰上り図
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第942番は「片仮名文字・濁音・ザ」だが、濁音記号が離せなかった。
第943番は「片仮名文字・濁音・ダ」だ、強引な作品だ。

第947番は、「片仮名文字・濁音」で、作者にも予想外な仕上がりになった。
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第947番詰図の舞・「片仮名文字・濁音」:23手詰
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作意は、 2019/09/22 へ
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2019/08/05 の作意(スクロール)

第942番:詰図の舞・「片仮名文字・濁音・ザ」:
59桂・56玉・78馬・55玉・47桂・同と・35飛・同香・45金・同と・51竜・同馬・54金・同玉・53桂成・55玉・54成桂・同玉・87馬・55玉・65馬 まで21手
詰上り図
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第943番:詰図の舞・「片仮名文字・濁音・ダ」:
43桂成・45玉・54銀不成・同香・44成桂・同と・34銀不成・56玉・57金・同と・46金・同と・65馬 まで13手
詰上り図
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「市松図形」は模様図形 [詰将棋]

引違い・大菱・十字等の図形は、線の組み合わせか図形の外枠の形状だが、市松図形は模様を表す。
市松も代表的な図形曲詰だと言われるが、性格は異なる。
閉じた図形に模様を配する事で、多数の「市松図形」をデザインする可能性がある。
ただしあぶり出し詰将棋では外枠を線で表さないので、外枠の図形が分かり難い。
特に、斜め線と円弧等の曲線は、明確には表現出来ない。
円は外枠だけの図形でも形の判断が分かれやすいが、円の市松図形はそれ以上に判断が別れると思う。

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「市松図形」でも、手順に趣向を組み合わせたり、他の図形と組み合わすアイデアの作品が作られている。

岡田敏作「解いて楽しいあぶり出し詰将棋・第24番」「市松」
88銀・89玉・59竜・同桂成・79金・98玉・87銀打・同金・同銀・同玉・88金打・96玉・85銀・86玉・87銀・85玉・86銀・74玉・73飛成・同馬・66桂・65玉・29馬・64玉・・・・・46馬・65玉・56馬・64玉・55馬 37手
収束に馬鋸を加えたあぶり出し「市松図形」。この収束を見つけるのが難題だ。
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詰上り図
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田中至作「白雁組曲(下)・第47番」「ゴルフ詰・オービー」
82香成・同竜・同香成・同銀・71飛・同銀・同と・同玉・82銀・61玉・81金・51玉・41香成・同馬・同と・同玉・32角・51玉・42歩成・同玉・33と・同玉・23と・同成香・45桂打・同馬・同桂・44玉・43金・55玉・46角・同金・同と・同玉・47金・同銀・同と・55玉・66銀・64玉・75銀・55玉・66と・同金・同銀・同玉・56金・67玉・78竜・同と・58銀 まで51手
後半からは中央での手順となる、前半の端に部分よりは苦労している様に思える。
中央の小型市松は、この作の後半部分のみになる。
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第4番」・「ノ」
41角成・同玉・52歩成・同玉・54香・61玉・52香成・同玉・43歩成・61玉・52と・同玉・53角成(A)・同玉・54金・同金・同銀・同玉・44金・55玉・66竜 まで21手詰
(A)42角成・62玉・53馬以下も成立する。
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詰上り図
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「新イロハ歌詰」の作品順は、「新イロハ歌:「いろは」の歌(うた)を選(え)りぬるぞ 我(わ)が家(や)訪(と)ひ来(こ)よ 常(つね)在(あ)らん 無為(むゐ)に起(お)く今朝(けさ) 夕(ゆふ)待(ま)ちて 汝(な)へ賞(ほ)め切(き)れじ 笑(ゑ)みもせず」と説明されている。
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第941番は市松図形「円」、4隅に駒がない5X5正方形の市松と見る人もいると思うし、円は駒では表現出来ないとも言える。

第946番は、市松図形ではなく、外枠だけの図形。
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第946番詰図の舞・図形:27手詰
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作意は、 2019/09/16 へ
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2019/07/30 の作意(スクロール)

第941番:詰図の舞・市松図形「円」:29手
34金・同歩・52銀・54玉・63銀不成・同歩・44金・55玉・46銀・同玉・37金・55玉・66角・同玉・67金・55玉・45金・同玉・47香・54玉・32馬・43歩合・同馬・同銀・55歩・同玉・46金・54玉・45金 まで29手
詰上り図
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漢数字「十」 [詰将棋]

漢数字「十」のデザインは縦・横が同じ長さを、最初に思い浮かべるがそれ以外のデザインもある(例えば、「童翫集・第10番」)。
対称性の高い「十」は「十字の図形」でもあり、「大菱」「大引違」と同様に、「5X5:小十字」「7X7:中十字」「9X9:大十字」でもある。
ただし「大菱」「大引違」は江戸時代にもあるが、「大十字」は昭和になり登場した。
逆に「小十字」は江戸時代にもある。
漢数字は他にもあるが、10文字のみのシリーズが多い。

添田宗太夫作「将棋秘曲集・第57番」「十」
35銀・55玉・64銀・同香・同馬・同玉・75銀・55玉・56香 まで9手
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詰上り図
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門脇芳雄作「曲詰百歌仙・第14番の番外」「十」
45歩(A)・43玉・44歩・同玉・36桂・同と・56桂・44玉・55桂・同銀・44歩・同銀・52銀不成・同玉・44桂・43玉・54銀・44玉・53馬・55玉・46金・同と・56歩・同と・45馬 25手
(A)36桂・同と・45歩以下の手順前後が成立する。
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詰上り図
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田中至作「過雁組曲・第84番」「十」
57金・55玉(あ)・75竜・同角・35竜・同銀・65金・同香・同馬・同香・56香・同と・45金 まで13手
(あ)同とは68竜右・67金合・77竜・55玉・57竜以下。
67銀合が不詰になるので55成銀の配置になっている。
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詰上り図
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「童翫集・第10番」「十」
81歩成・同銀・92金・同銀・同歩成・同玉・83銀・同玉・86竜・73玉・64銀成・同玉・53馬・55玉・56歩・同成銀・同竜・同玉・57銀・55玉・35飛・45合・56香 まで23手詰
初形91玉から55玉詰上がりの条件付き曲詰。
穏やかな手順だが、傷も無くこのシリーズの代表作と思う。
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰(詰パラ1982.02)・第3番」・「ハ」
34角成・同玉・43桂成・同玉・45飛・同銀・44歩・54玉・54金・55玉・65金・同玉・64角成 まで13手詰
玉方・87とは作者自認の飾り駒(27とは余詰防ぎに必要)。
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詰上り図
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第940番は漢数字「十」、最初は27手詰図だったが不完全で修正出来なかった。

第945番は、漢数字シリーズは終了して、それ以外の文字詰め。
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第945番詰図の舞・文字詰:25手詰
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作意は、 2019/09/10 へ
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2019/07/24 の作意(スクロール)

第940番:詰図の舞「漢数字・十」:21手
68金・56玉・57金左・55玉・46金・同玉・47金打・55玉・45金・同玉・46香・55玉・56金・同玉・57金・55玉・65と・同銀・56香・同銀・66銀 まで21手
詰上り図
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森田銀杏氏の「イロハ字詰(48図)比較」より [詰将棋]

森田銀杏氏が「門脇芳雄作・曲詰百歌仙」で発表した「イロハ字詰(48図)比較」には、その後も岡田敏氏・服部彰夫氏が自身の作品を加えて来た。
以下に引用し、慣例的に田原作を追加した。

作者  ・平均詰手数・盤駒数・詰上駒・不動駒・発表年

丸山正為・23.1   ・18.0 ・10.4 ・4.7 ・昭02.09
門脇芳雄・20.8   ・16.1 ・10.1 ・3.5 ・昭31.01
田中 至・19.8   ・15.9 ・09.9 ・3.5 ・昭44.05
伊藤路歩・16.3   ・14.4 ・10.1 ・4.7 ・昭57.02
岡田 敏・20.0   ・15.7 ・09.7 ・4.1 ・平05.09
服部彰夫・25.8   ・17.9 ・09.4 ・4.1 ・平17.07
田原 宏・12.9   ・12.1 ・09.4 ・4.9 ・平30.10


田原作は9手以上の設定の短篇シリーズで12.9手は順当だ、短篇は不動駒(4.9)が増えるのでそれを抑えようとすると、盤駒数(12.1)が少なくなる。
服部作は平均詰手数(25.8)の最長を達成して、同時に(盤駒数(17.9)-詰上駒(9.4))最大ともなった。
門脇作と田中作は似た数字で岡田作も近い。
丸山作は、あぶり出し図と初形象形を共に作り、それが同じデザインが特徴だ。
従って、あぶり出し図の詰上駒(10.4)が、初形象形の盤駒数と同じになる。
中央での少ない盤駒数の作図は難しく、それを多く設定した結果で、あぶり出し図の詰上駒が増えたと思う。

伊藤路歩作は短篇シリーズの属し、数字的にも中編のシリーズとやや異なる。
「詰将棋パラダイス1982.02」に一挙出題されて、1982.07-10に結果発表された。
創作留意点として作者から下記が述べられている
「・詰め上がり盤面中央(3局は1間ずらした)
・その他条件なし
・飾り駒や自陣成駒は排除できなかった(数局)
・詰上がり絶対性も数局ない」

以下に、柿木将棋の見つけた不完全を含めて、紹介して行く。
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰・第1番」・「イ」
44角・43玉・55桂・54玉・65角・64玉・75銀・同金・83角成・66金・53角成・同玉・43香成・64玉・44飛・54桂合・同飛・同玉・45金・64玉・56桂・同金・54金・同玉・65馬 まで25手詰
後半手順は若島正作との追突となっているが事情は不明。
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詰上り図
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伊藤路歩作「新イロハ歌詰・第2番」・「ロ」
33銀・43玉・53角成・同玉・45桂・64玉・53銀・55玉・56歩・同銀・44銀右不成・同桂・64銀・同玉・46馬・同桂(あ)・54金 まで17手詰
(あ)55合で形崩れだ、同桂が自然だろう。
玉方・76歩は飾り駒だろう。
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詰上り図
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第939番は陣形図式、5手目から15手目が出発素材だが、まとめ切れなかった。

第944番は、盤面が歩図式。
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第944番と歩の舞・21手詰
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作意は、 2019/09/04 へ
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2019/07/18 の作意(スクロール)

第939番:落城の舞:31手
71飛成・同金・73と・同桂・94桂・同歩・93銀・同香・92金・同玉・84桂・同歩・83銀・同玉・74角成・72玉・83金・63玉・73金・51玉・41金・61玉・62歩・同金・同金・同玉・63歩・71玉・83桂・82玉・73金・92玉・91桂成・同玉・92歩・81玉・82歩・71玉・62歩成 まで39手



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「詰将棋駒の舞(三番館)」開設 [詰将棋]

本ブログ「詰将棋駒の舞(三番館)」は、

詰将棋駒の舞(別館)」がヤプログの2020/01/31終了する為に、移転したものです。

2019/08/09に、過去記事のテキストの移転を行い、移転作業中です。

ヤプログの2020/01/31閉鎖までは、双方を公開します。

詰将棋図面の画像は、「詰将棋駒の舞(三番館)」はヤプログ画像のリンクで表示していますので、2020/01/31閉鎖で消えます。

詰将棋図面の画像の移転は現在検討中ですが、2020/01/31で過去分は消える可能性があります。

新規記事投稿は、4回を双方に書き込み、その後は「詰将棋駒の舞(三番館)」のみに新規投稿する予定(出題>作意発表に合わす)です。
ただし、「詰将棋駒の舞(三番館)」使用上の問題があれば、予定変更もあります。

詰将棋駒の舞(本館)」は変更はありません。

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