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立体復元式曲詰 [詰将棋]

「初形の『象形曲詰』」と「詰上がりの『あぶり出し曲詰』」の、双方の条件を持つのが「立体曲詰」だ。
「立体曲詰」の中には。初形と詰め上がりが同じ図形の「立体復元式曲詰」が含まれる。

あぶり出し曲詰の基本的な手順が捌きによる図形を描く手順だとすると、初形と詰め上がりが同じ図形=駒数も同じ事は、一般的な曲詰とは感覚的に異なる。

私が立体復元式曲詰に興味を持ったきっかけの作品は「仮名文字立体復元式曲詰」原広路作だ。
個人的には奇蹟的な条件作品の1つだと思っている。
中央配置では無いが、字が盤面の周囲に接していない事が、個人的には好ましい理由の一つだ。
最初4手は駒の交換で減らす手順で、そこから合駒の手順に移行して、同じ駒数に戻る、これは立体曲詰・立体復元式曲詰の作り方なのだが、通常は形は望む様には整わない。

原広路作「村山隆治著:詰将棋教室:p.241=詰パラS40.5」:立体復元式曲詰「仮名・エ」
73銀打・同馬・同銀成・同玉・93飛・83角合・62角・82玉・71角成・同玉・91飛成・72玉・62金打・73玉・71竜・72飛合・同金・同角・63飛・同玉・62竜まで まで21手詰
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詰上り図
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丸山正為作「将棋イロハ図(コピー版:第02番」「あぶり出し曲詰・イ」
74馬・同竜・53桂・同香・52桂成・同玉・53角成・同玉・54香・同竜・同金・同玉・44飛・55玉・46銀・56玉・67金・同成香・57歩・同成香・同銀引・55玉・56香 まで23手詰
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詰上り図
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「将棋イロハ図」の中でも知名度が高い作だ、同時に「一世代前の『玉を周囲から中央に呼び込む手法』の代表作」としての引用も多い。
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第1005番は、「続積木の舞」で「漢字・小」の立体復元式曲詰だ。
第1009番は、今では手筋作品に近い作、限定打では無い。
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第1009番:17手詰
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作意は、 2020/09/22 へ
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2020/08/05 の作意(スクロール)

第1005番:「続積木の舞」「立体復元式曲詰:漢字・小」
43馬・24玉・23桂成・同玉・32銀・24玉・34馬・同玉・35金 まで9手詰
詰上り図
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曲詰「漢字・穴(あな)」 [詰将棋]

曲詰「漢字・穴」の作例は不明。
部首あるいはパーツとしての「うかんむり」の作例の有無も不明だ。
国語的には「漢字・穴」の「うかんむり」は部首でなくて、「穴」自体が「あなかんむり」と言う部首になる。
「漢字・穴」では「うかんむり」はパーツとして扱う事になる。
「うかんむり」は「5X3」で8駒が標準となるので、通常の小型曲詰の駒数(詰上り)の半数以上となる、難易度は文字次第だ。
片仮名文字「ウ」は文字通りに「うかんむり」のパーツを含むので、それが参考とはなるだろう。
そのデザインの標準は「うかんむり」+2駒だ(+3駒もある)。
「漢字・穴」は「うかんむり」+4駒であり、作れそうに思える範囲だ。

服部彰夫作「砂丘:第24番」:「仮名・ウ」
28金・同玉・37銀・同玉・48銀・同玉・75馬・47玉・58金・56玉・57金打・同と・同金・55玉・53飛成・同馬・56歩・54玉・46桂・同香・55歩・同玉・53飛成・同桂・33角・54玉・44角成 まで27手詰
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詰上り図
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2020/08/05ブログへのコメントの作品
三輪勝昭作「詰パラ・2013/11」「あぶり出し・漢字:亡」
48桂・同と・59飛・58と・同飛・57歩合・同飛・65玉・66歩・同玉・77銀右・65玉・76銀・同玉・87金・同歩成・68桂・65玉・66歩・同玉・77馬・同と・同銀・65玉・55飛・同竜・64金・同金・66歩・同竜・54角・同金・57桂・同竜・74銀不成・64玉・76桂 まで37手詰
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詰上り図
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「「6X2」のなべぶた」のデザインは意外でした。
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丸山正為作「将棋イロハ図(コピー版:第01番」「象形曲詰・イ」
46金・同香・68桂・同と・57歩・同と・66金・45玉・44角成 まで9手詰
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丸山正為作「将棋イロハ図」は初形盤面象形曲詰と、あぶり出し曲詰が交互に配置された「仮名文字」曲詰集だ。
昭和2年刊行で、後に「将棋世界」誌昭和29-38年に濁音・半濁音追加と修正図が発表されたと記述がある(小島昇氏による)。
象形曲詰には本作の様に中央で短くまとまった作品と、盤周囲に追いかけるタイプがある。
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第1004番は、「詰図の舞」「漢字・穴」で、「うかんむり」のパーツを含む漢字だ。
第1008番は、「詰図の舞」「漢字」で、「にんべん」の部首・パーツを含む漢字だ。「にんべん」パーツの単独では読み難いが、漢字としてはどうか?。
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第1008番「詰図の舞」「漢字」27手詰
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作意は、 2020/09/16 へ
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2020/07/30 の作意(スクロール)

第1004番:「詰図の舞」「漢字・穴」
74飛・同銀・45銀・同玉・34銀・55玉・15飛・35歩合・同飛・同桂・54と・同玉・46桂・同と・55歩・同玉・73馬・54玉・64馬 まで21手詰
詰上り図
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曲詰「図形・直角三角形・密集形」の2 [詰将棋]

2020/07/24ブログの門脇作と同じ詰上り図はもう1作ある。
その解説では、密集形あぶり出し曲詰についても書かれている、「密集形は盤面曲詰の方が多い」事は私も同じ感想だ。

田中至著「曲詰創作と楽しみ方 詰将棋考」昭和58年・P.219
「直角三角形」自作解説
「都を中心にした密集形のあぶる出し曲詰(詰め上がり9枚)は、俗に「鶴の巣ごもり」と称されて結構人気があり、今までに好んで創作されてきた。
しかし、本局や第30番(注:右盤端の鶴の巣ごもり)のような入玉型の密集形は、意外と少ないようである。このことは、曲詰は都を中心とした部分で描いた方がきれいである、ということであろう。
また、一般に盤面曲詰よりあぶり出し曲詰の方が作品の数が多いが、この密集形に関してはむしろ盤面曲詰の方が多く出品されているようである。」

田中至作「曲詰創作と楽しみ方 詰将棋考:第28番」「直角三角形」
15銀・同玉・14金・同玉・25銀・同と・26桂・15玉・16銀・同金・25と・同玉・34馬・26玉・27歩・同玉・16馬・28玉・48飛・同と・38金・同と・17馬・29玉・39金・同と・28金 まで27手詰
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詰上り図
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今田政一作「将棋竜光(大塚播州編・コピー版:第46番」「図形・市松」
28歩・16玉・25銀・15玉・14と引(A)・同香・同と・25玉・15と・36玉・45銀・同玉・55飛・36玉・37香・同金・同歩・47玉・48歩・58玉・59金・67玉・66と・78玉・68金打(B)・87玉・79桂(C)・97玉・75馬(D)・同歩・86角 まで31手詰
(A)14と寄以下、25玉・24馬・36玉・45銀・同玉・55飛以下余詰。
(B)69金あるいは69金打あるいは89金打で、以下同桂成・75飛以下で余詰。
(C)43馬以下、余詰。
(D)86銀以下、同玉・75馬・同歩・76と・95玉・75飛以下余詰。
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詰上り図
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本図で「将棋竜光」の曲詰は終了です。
次回からは丸山正為作「将棋イロハ図」の予定です。
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第1003番は、「詰図の舞」で「図形・直角三角形・密集形」だ。
第1007番は、「詰図の舞」、「図形・二等辺三角形・密集形」だ、密集についてはやはりそれ程でない。
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第1007番「詰図の舞」「図形・二等辺三角形・密集形」23手詰
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作意は、 2020/09/10 へ
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2020/07/24 の作意(スクロール)

第1003番:「詰図の舞」「図形・直角三角形・密集形」
34銀・同桂・36馬・44玉・64飛・同角・33銀打・同歩・53銀不成・同角・54金・同飛・45金 まで13手詰
詰上り図
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曲詰「漢字・士(し)」と「漢字・土(つち)」 [詰将棋]

「漢字・士(し)」と「漢字・土(つち)」は漢字のパーツして多く使われている。
最小形は「3X4」で横棒が同じ長さの同じデザインとなる。
だが、パーツとして使用した場合でも似た字で意味が異なってしまう場合もあるので使い方は悩ましい。
区別する時は最小形は「5X4」になってしまい、利用範囲は減る。

「5X4」しか駄目だろうと思う漢字としては、「漢字・吉(よし)」と「漢字・吉(きち)」がある。
盤駒での表現には制約があるので、思い切りが必要だろう。

あぶりだし曲詰としては「漢字・土(つち)」の方に作例がある、下段側に駒が多い方が作り易いのだろうと思う。
「漢字・士(し)」の作例は不明だ。

岡田敏作「詰の花束:第225番」:「土(つち)」
54金・同角・73角成・64桂合・同馬・同歩・67桂・同飛不成・57飛・同飛成・56歩・同竜・44銀 まで13手詰
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詰上り図
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今田政一作「将棋竜光(大塚播州編・コピー版:第44番」「図形・市松」
34金・同玉・44と(A)・23玉・24銀成・同玉・25銀・15玉・16歩・26玉・36金・同歩・27香(B)・37玉・28銀(C)・同と・29桂・同と・38歩・46玉・45と・57玉・58歩・66玉・65馬・同歩・76金・同桂・67歩・77玉・78歩・87玉・97飛・同玉・98香・87玉・96角 まで37手詰
(A)44銀成以下、23玉・93飛成・83歩合・同竜・32玉・43竜以下余詰。
(B)27金以下、25玉・36金・同玉・38竜・37金合・81馬以下難しい余詰。
(C)28金以下、同と・29桂・27玉・47竜・37桂合・36銀・16玉・17歩・26玉・37竜以下余詰。いずれも人間には簡単では無いが最後は92馬と95飛が強いので詰むようだ。
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詰上り図
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第1002番は、「詰図の舞」で「漢字・士(し)」だ。
第1006番は、「詰図の舞」、「漢字」だ、斜め線が多いので意外とデザインも作図も厄介だ。
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第1006番「詰図の舞」「漢字」15手詰
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作意は、 2020/09/04 へ
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2020/07/18 の作意(スクロール)

第1002番:「詰図の舞」「漢字・士(し)」
45桂・44玉・35金・55玉・47桂・同と引・64銀不成・同玉・74金・55玉・75竜・65金合・67桂・同と・56香・同と・65竜・同玉・75金・55玉・65金打 まで21手詰
詰上り図
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「なべぶた」を含む漢字の曲詰 [詰将棋]

2020/08/01に「詰将棋 駒の舞(本館)」の定期更新を行った。
「7月-1」は持駒が金4枚の手筋作だ。
「7月-2」はあぶり出し曲詰「漢字・亡」だ、パーツとして「なべぶた」を含んでいる。

「8月-1」は軽く易しい23手詰だ。
「8月-2」は「詰図の舞」、あぶり出し曲詰「対称図形」だ。

「漢字・亡」の作例の有無は不明。
この字自体がパーツとしても使用されている漢字だが、それは盤駒で作るには高さ方向が大きくなり過ぎる。
「なべぶた」は「漢数字・六」として複数作図されているので、馴染みはかなりある。
ほぼ「5X5のデザインだが、「5X2」の「なべぶた」の幅を超えるデザインもある。
幅方向は縦方向よりは拡がってもやや作り易いとも思えるが、中央下部に駒がないのは、厄介だ。

添田宗太夫作「将棋秘曲集:第7番」:「六」
76銀・66玉・65飛・76玉・87銀・65玉・76金・55玉・44銀・同玉・54金 まで11手詰
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詰上り図
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今田政一作「将棋竜光(大塚播州編・コピー版:第27番」「図形・市松」
68銀右(A)・同と・78歩(B)・同と右・76と引・同金・67金・同と・76と・同玉・87金・同玉・98金・86玉・87金打・75玉・65と・同飛・76歩・84玉・94と・73玉・74銀・82玉・92角成・71玉・83桂・61玉・52歩成 まで29手詰
(A)68銀直以下、同と・67金・同と・78歩・同と・76と引・同金・同と以下作意に戻る余詰。
(B)67金以下、同と・78歩・同と・76と引・同金・同と以下作意に戻る余詰。
修正案として、89馬>89銀が可能だと思う。
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詰上り図
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第1001番は、「続小駒の舞」で桂香図式だ、地味な手順だ。
第1005番は、「続積木の舞」「漢字・小」、久し振りの立体復元式曲詰だ。最近は作ろうとしていないので素材(ネタ)自体を持っていない。
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第1005番「続積木の舞」「漢字・小」9手詰
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作意は、 2020/08/29 へ
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2020/07/12 の作意(スクロール)

第1001番:「続小駒の舞」
24桂・33玉・22銀・同玉・32金・同金・同桂成・同玉・41銀・33玉・42銀・22玉・31銀不成・33玉・32銀成・同玉・24桂・同歩・42と・33玉・32金・23玉・22銀成・14玉・15香 まで25手詰


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